
日本の地図『大日本沿海輿地全図』を作成した伊能忠敬が、測量を学び始めたのは50歳を過ぎてからだそうです。
その際師事したのが、忠敬より20歳近く年下の高橋至時でした。
至時は若くして亡くなってしまいましたが、忠敬は足かけ17年をかけて全国を測量し、日本史上初めて国土の正確な姿を明らかにするという偉業を達成しました。
そんな忠敬は、晩年、病床にて遺言を残しました。
いわく、自分が日本を測量する大事業を成すことができたのは高橋先生のおかげであり、その感謝と恩義を込めて、先生の墓のそばに葬って欲しい、と。
こういった遺言は、もちろん現代の法的な効力がどうのこうのといった遺言とは違うものですが、しかし、どのような遺言をのこすのかで、その人となりが分かる気がします。伊能忠敬は、恐ろしく正確な地図を文明の利器もない状態で作成することを成し遂げた、私からしたら理解が及ばないほどにすごい偉人なのですが、こういった言葉を遺せるということから、謙虚さとその人徳についても凄まじいものがあったのだろうなと思い、敬意を抱かざるを得ません。
皆さんは、どのような言葉を遺したいと思いますか?